高知県は，行きたい行きたいと思っていてなかなか行けず，43番目に訪れた県だ。岡山から特急南風に乗って２時間半。途中で渡る瀬戸内海は美しい。高知城の天守閣に登った。四方の街並みは，好もしかった。

「富士山ビュー特急」に乗った。大月から河口湖までは，たったの50分だ。あの豪華な内装。車内に入ったとたんのうきうき感は忘れられない。幸せな時間は，あっという間に過ぎた。

あんなにも透き通った海には，後にも先にもお目にかかったことはない。山口の海で初めてのダイビングをした。魚の群れやタツノオトシゴに出会うことができた。すばらしい体験だった。

学生時代，バスを乗り継いで能登半島を一周した。海，海，海。能登はよかった！　そして輪島で食べたお寿司。人生最高の寿司だと思っている。

北陸方面と京都との行き来には，何度か湖西線に乗った。途中で車窓に現れる琵琶湖は大きい。琵琶湖と共にある生活には，住んでみないとわからない魅力がたくさんあるだろうと思った。

東京は，私にとって，息子たちが学生時代を過ごした街だ。時には研修の場であり，劇団四季ミュージカルを楽しむ街であり，デパ地下で高いきれいなおかずを買う場であり，そして何よりも息子たちそれぞれとのひと時を過ごした街だった。

初めて東京に行ったのは45年前の修学旅行。街並みを見て，家と家との間の狭さに驚愕した。「ここには住めないなあ。」そう思った。

子どもの頃，父が出張のお土産に買ってくる缶入りバターはごちそうだった。缶を開けたときの風味がすばらしく，熱いご飯にとけたバターのおいしさは格別だった。

盛岡駅近くの「アイーナ」。吹き抜けの広大な空間。すばらしく近代的な建物の中で，高校生がゆったりと勉強していた。

奈良といえば大仏。そして，奈良公園の鹿だ。そして，鹿せんべい。ほの温かいイメージとともに，ちょっとした恐怖と生きるたくましさを思い浮かべるのは私だけだろうか。

以前，「サンライズ瀬戸」の「ノビノビ座席」を利用したことのある私は，島根へ行くために，今度は「サンライズ出雲」のA個室寝台に乗りたいと考えた。

「乗り鉄」もどきの私。ふと両毛線に乗りたくなった。両毛線のどの駅で降りようかと。路線図を見ていて，「足利」という地名に惹かれた。