息子の一人は、東京の大学に進学した最初は下北沢のアパートを借りて住んだ。駅から徒歩15分ほどの場所だった。
通りを歩いていると、昔ながらと思われる小さな店と、若者向けと思われるこじゃれた店やおもしろい店が並んでいた。地方のホームセンターで暮らしの雑貨を買うことに慣れている身としては、物干し竿を買うのも、どこに売っているのか分からず苦労した。
東京に用があって行くと、息子のアパートに泊まった。何度か行くうちに、下北沢はカレーの街と言われていることに気づいた。
どの店がおいしいのだろう?
検索して「これぞ」と思ったのが「茄子おやじ」だった。
よく気をつけていないと見逃してしまいそうなかわいらしい看板に導かれてと路地に行くと、いい雰囲気の店があった。
カレーは欧風カレー。
好みのカレーだった。
とてもとてもおいしかった。
茄子おやじは健在だろうか。
ネット検索すると「茄子おやじ閉店」という文字が出てきた。
えっ、閉店してしまったのか?
いやいや、あちこち探すと、いくつかの説明が出てきた。ちゃんと人々に愛されているから事情も発信してもらえているのだろう。
下北沢の茄子おやじは、その味を引き継いだ二代目が新たに開店していた。元祖茄子おやじは,別の地に新たに店を構えていた。その事情もちゃんと書かれていた。
下北沢に行く用事はなさそうだ。きっと街並みも変わっているだろう。でも,また「茄子おやじ」のカレーを食べに行くのもいい。