ふらんす亭のレトルトカレーが大好きだ。高いけれど，スーパーに並んでいるのを見ると，自分へのご褒美として買ってしまう。東京の街を歩いていて偶然「ふらんす亭」のレストランを見つけたときは，心が躍った。あのレトルトカレーのデザインの，あのレストランがあるなんて！

スープカレーを初めて作ってみた。私のこだわる「カレー」とは異なるものだが，こういう料理と思えば許せる。休日に，味をしみ込ませる時間も含めて，１日かけてゆっくり作った。肉柔らかく，野菜たっぷり。おいしかった。

就職して初めて勤めたのは，最寄りの駅から車で30分，バスで50分ほどかかって行く，一山越えた先の山奥だった。同じアパートに住む同僚の女性は，作ったカレーを食べてもらった初めての人だった。

休日に仕事をするとき，自由な解放感で，ささやかな贅沢として，コンビニに寄って昼食用にカレーを買う。真ん中にちょこんとのっていた肉がおいしかったあのカレーがまた食べたい。

子どもが小さい頃，２種類のカレーを作っていた。初めてカレーを口に入れた長男は，にこにこ。あっという間に食べてしまった。やはりカレーはおいしいのだ。

私は、カレーはご飯にかけて食べるものと思っている｡その信念に変わりはないのだが、「それとこれとは別」ということで、おいしいと思った「許せるカレーうどん」がひとつだけある。

大学時代，４軒の家庭教師をした。それぞれの家でカレーをごちそうになり，「家庭によって，カレーって，違うんだな。」と知った。どこの家庭でも，カレーは，みんなが大好きなメニューだった。

モスバーガーのナンカレードッグはおいしい。季節限定だ。しかし，何年もお目にかからなかったこともある。来年の夏は？

男の子のように育てられた私は，大学生になって家を離れるまで，じゃがいもの皮もむけず，カレーは作れなかった。

中央線車内でふと耳にした「おいしい」という会話から，荻窪のカレー屋さんを訪ねて行った。濃い深い味わいだった。

神田の古書センターを抜けて２階に上がるとボンディがある。ボンディのカレーは，私の好みとしかいいようのないおいしさだ。いつまでも食べていたくなる。